そばにいる人が休みはじめてから、何週間か、あるいは何か月かが経ったころだと思います。最初のうちはこちらも気を張っていられたのに、だんだん、どう話しかければいいのかわからなくなってくる。良かれと思って言ったことで表情が固くなり、次からは黙るようになる。そういう時期にこのページを開く方が多いはずです。
先に書いておきたいことがあります。支える側が消耗することは、国の資料の中でも想定されています。厚生労働省と労働者健康安全機構が出している心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引きには、本人の心の健康問題が家族に強い心理的負担を与えていることもある、と書かれています。あなたが疲れているのは、支え方が下手だからではありません。
この記事では、厚生労働省の家族向けの資料と、職場復帰支援の手引き、それから法律の条文で確認できる範囲だけを扱います。うつ病がどういう病気なのか、どう経過するのかといった医学の話には踏み込みません。書けるのは、公の資料が「そばにいる人」に案内している内容だけです。
扱うのは大きく3つです。接し方について資料が共通して言っていること、本人が受診に乗り気でないときに家族だけでできること、そして支える側が潰れないための仕組みです。読むのがしんどければ、最後の2つの章だけで足ります。
そばにいる側が消耗することは、想定されています
まずここから確認します。あとの章を読むための前提になります。
家族の心理的負担について、手引きに書かれていること
職場復帰支援の手引きは、事業者と産業保健スタッフに向けて書かれた文書です。ただ、その中に家族について触れた箇所があります。円滑な職場復帰には家族によるサポートも重要になるとしたうえで、こう続いています。
しかし、本人の心の健康問題が家族に強い心理的負担を与えていることもあり、一方で、職場復帰に強い不安と期待を持っていることも多い。
そして、心の健康問題や職場復帰に関する情報提供や家族からの相談対応など、事業場として可能な支援を行うことも望ましい、と書かれています。家族は支援する側であると同時に、支援を受ける側としても位置づけられているということです。
手引きの冒頭部分にも、家族の理解や協力が重要であることから、家族に対して必要な情報を提供する等の支援が望まれるという一文があります。家族が何も知らされないまま、察して支えることを期待されている状態は、資料が想定している姿ではありません。
支える側への配慮は、手引きの項目のひとつです
もうひとつ挙げておきます。手引きは、職場復帰後のフォローアップで確認する項目を7つ並べていますが、その最後が「管理監督者、同僚等への配慮等」です。復帰する人を支える管理監督者や同僚に過度の負担がかかることがないように配慮することが望ましい、と書かれています。
支える側の負担を見ることが、支援の手順の一部として組み込まれている、ということです。あなたが「自分のことを言っている場合ではない」と感じているとしたら、その感じ方のほうが資料より厳しいのだと思います。
接し方について、資料が言っていること
厚生労働省の「こころの耳」には、家族向けのご家族にできることというページがあります。ここに、こころの病気への基本的な対応が並んでいます。以下は、そのページと職場復帰支援の手引きに根拠がある項目だけを取り上げたものです。根拠が確認できなかった通説は、載せていません。
励まさない
第一に挙げられているのがこれです。理由も書かれています。すでに頑張りすぎてこころの病になってしまった場合には、励まされることで「もうこれ以上頑張れない」と感じたり、これだけ周りが気をつかってくれるのに何もできない自分は情けない、と感じたりして、症状を悪化させてしまうためだ、という説明です。
つまり、励ましが届かないのではなく、届いたうえで別の方向に働いてしまうという書かれ方をしています。ここを押さえておくと、次の章の言葉の話が理解しやすくなります。
無理に特別なことはしないでおく
同じページに、無理に特別なことはしないでおく、という項目があります。こころのエネルギーが消耗している状態では、普段楽しめることも楽しめず、むしろ疲労感を増して悪化してしまうこともある、と書かれています。
気分転換に旅行に誘う、外食に連れ出す、人に会わせる。どれも善意から出てくる発想ですが、資料の立場はここに慎重です。誘ってはいけないという意味ではありません。断られたときにこちらががっかりした顔を見せない、という程度の余白があれば十分です。断ることに気をつかわせない誘い方かどうかを、声をかける前に一度考えてみてください。
同じページは、こころの不調のときに一番大事な基本は安心して休息することだとも書いています。何かをしてあげることより、何もしないでいられる状態を保つことのほうが、資料の中では優先されています。
元のペースを急がせない
これは職場復帰支援の手引きのほうにはっきり書かれています。数か月にわたって休業していた人に、いきなり発病前と同じ質と量の仕事を期待することには無理がある、という一文です。手引きはそのうえで、復職後の労働負荷を軽減して段階的に元へ戻す配慮が重要な対策になるとしています。
これは仕事の話ですが、家庭の中でも同じ形が起きます。少し良くなってきたように見えると、家事を分担してもらおうとか、そろそろ外に出たほうがいいのではないか、という考えが浮かびます。段階的に戻すという考え方は、職場の中だけのものではありません。
手引きには、同僚に比べて過度に業務を軽減されることは逆にストレスを高めることもある、という注意も添えられています。何もさせないことが正解でもない、ということです。ちょうどよさは人によって違うので、決めるのは本人と主治医の側になります。
決めさせる場面には、配慮がいる
手引きのプライバシーの章に、見落とされやすい一文があります。心の健康問題の症状によっては日常の細かな選択や決定に大きなストレスを伴うこと等もあるため、同意するかしないかの選択を求めるにあたっては一定の配慮が必要だ、という記載です。
これは会社が本人に同意を求める場面の話ですが、家の中でも同じことが起きます。今日の夕飯は何がいいか、この週末どうするか、といった問いが、答えられない負担として乗ることがあります。二択にして聞く、こちらで決めて事後に「これでよかった?」と確かめる、といった形にすると軽くなることがあります。
一方で、通院するかどうか、休職を続けるかどうか、退職するかどうかといった大きな決定については、「こころの耳」の家族向けページは大きな決断は先延ばしにするという立場です。こころの病では心理的な視野狭窄が起きていて、悲観的な発想しか浮かばず、その道しか残されていないようにとらえてしまうことがある、という説明が添えられています。細かいことは代わりに決めてよく、大きなことは今は決めない。そういう分け方になります。
話は否定せずに聴く
「そんなことはない」と否定せず、まずは本人が一番言いたいことは何かを理解しようという姿勢が大切だ、と書かれています。語りたくない様子のときに無理に聞き出さないことも、同じページの立場です。
言葉をうまく返せなくても構いません。返し方の話は、この記事では深く立ち入りません。
避けたほうがよいとされる言葉と、その理由
いわゆる禁句として挙げられる言葉があります。「頑張って」「気の持ちようだ」「甘えているだけだ」「みんな大変なんだから」あたりが代表的なところです。何と声をかければよいのかという一言単位の話はうつの人にかける言葉に迷ったときにまとめました。ここでは、なぜその言葉が響いてしまうのかだけを見ておきます。
このうち「頑張って」については、厚生労働省の資料に根拠があります。前の章で見たとおり、励まさないことが基本的な対応の第一に置かれていて、すでに頑張りすぎた人に向けると追い込む働きをしてしまう、と説明されています。
残りの言葉について、避けるべきだと明記した公的な資料は確認できませんでした。ここは正直に書いておきます。ただ、言葉の働き方としては共通していると思います。
| 言葉 | どう働くか |
|---|---|
| 頑張って | すでに力を出し切った人に、まだ足りないという意味で届いてしまう |
| 気の持ちよう | 状態を本人の心構えの問題に置き換えることになり、相談の入口を閉じる |
| 甘え | 休んでいること自体を責める意味になり、療養を続けにくくする |
| みんな大変 | 話を一般化して、いま起きていることを個別に聞かないという合図になる |
いずれも、悪意から出る言葉ではありません。どうにかしてあげたい、早く元に戻ってほしいという気持ちが、そのまま形になったものです。だから完全に避けるのは難しく、言ってしまってから気づくこともあります。
言ってしまったときに、必要以上に自分を責めなくて大丈夫です。「こころの耳」の家族向けページが求めているのは完璧な言い回しではなく、否定せずに聴くという方向のほうです。ひとつの発言より、何度も繰り返される態度のほうが伝わります。
なお、休んでいる本人の側は本人の側で、休むこと自体に強い罪悪感を持っていることがあります。その感覚の中身は休職中の罪悪感がつらいときにまとめてあります。本人が何に苦しんでいるのかを知っておくと、言葉の選び方も変わってきます。
良くなったように見えた翌日に、戻ることがあります
ここは資料の記述にそのまま寄せます。職場復帰支援の手引きは、業務量を段階的に戻す必要性を説明する箇所で、こう書いています。
また、うつ病などでは、回復過程においても状態に波があることも事実である。
厚生労働省と労働者健康安全機構が、事業者向けの手引きの中でこう述べている、というのが確認できる事実です。この一文があることの意味は小さくありません。
支える側にとって一番こたえるのは、良くなってきたと思った直後に戻ることだと思います。この前は笑って話せたのに、翌日はまた起きてこない。そのときに「自分が何か言ってしまったのではないか」「あれは演技だったのか」といった考えが浮かびます。状態が上下することが手引きの前提に入っているなら、上下したこと自体は説明のいる出来事ではありません。
そのうえで、ひとつだけ実務的なことを書いておきます。良い日と悪い日の差が大きいときは、良い日を基準に計画を立てないほうが安全です。手引きが業務量について段階的に戻すよう求めているのも、同じ考え方だと思います。予定は悪い日でも壊れない密度にしておくほうが、あとの調整が少なくて済みます。
復職してからも、同じ波が起きることがあります。そのときに制度がどうなっているかは復職したあと、また休みがちになったときにまとめました。
受診や通院に、本人が乗り気でないとき
ここが相談の多いところだと思います。
説得の勝負にしない
「こころの耳」の家族向けページは、様子を見ていても以前と違う状態が続くようなら病院に行くことを勧めてみましょう、という書き方をしています。あわせて、初めての受診には付き添って行けることが望ましいとも書かれています。主治医の話を聞くことで、本人のどんな点に気をつけてサポートするとよいのかが分かることがある、という理由です。
勧めることは資料の中に位置づけられています。ただ、説得して押し切ることは、どこにも書かれていません。押し問答になると、次に切り出すのがさらに難しくなります。
本人が行かなくても、家族だけで相談できます
これがこの章でいちばん伝えたいことです。
本人が動かないと何も始まらない、ということはありません。精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第47条第1項は、都道府県、保健所を設置する市、特別区に対して、精神保健福祉相談員などの職員や、知事などが指定した医師に、精神保健や精神障害者の福祉に関して「精神障害者及びその家族等その他の関係者からの相談に応じさせ」、必要な情報の提供、助言その他の援助を行わせなければならない、と定めています。
条文にはっきり「その家族等その他の関係者」と書かれています。しかも「行わせなければならない」という書き方です。家族が相談することは、例外的に許されている扱いではなく、行政の側の義務として組まれています。
窓口になるのは次の2つです。
| 窓口 | 位置づけ | 受け付けている相談 |
|---|---|---|
| 保健所・保健センター | 地域の身近な窓口 | 不眠やうつなどこころの病気に関する不安や悩み、家庭内暴力やひきこもり、思春期の問題、依存症に関する相談など |
| 精神保健福祉センター | 同法第6条により都道府県が設置する機関 | こころの健康相談から精神医療に関わる相談、依存症、思春期・青年期の相談など。同条は業務として、相談及び援助のうち複雑または困難なものを行うことを挙げています |
厚生労働省のサイトでは、これらの窓口について電話相談と来所相談のどちらも可能で、相談はいずれも無料で秘密も守られると案内されています。
「こころの耳」の家族向けページも、本人が相談することにハードルを感じているときや、本人があまり語らないときは、まずはご家族が相談してみるのも一つの方法ですと書いています。順番が本人からでなければならない、という決まりはありません。
窓口の探し方
保健所は、厚生労働省の「保健所所管区域案内」から都道府県別に探せます。精神保健福祉センターは都道府県と政令指定都市に置かれていて、名称が「こころの健康センター」などになっている自治体もあります。お住まいの自治体名と合わせて検索すると出てきます。
電話をかけるとき、名乗る必要はありません。「家族のことで相談したい」と伝えれば通じます。話す内容がまとまっていなくても構わないので、いつごろからどんな様子か、受診しているかどうか、だけメモしておけば十分です。
通院が始まったあとの費用については自立支援医療制度で精神科の通院費を1割にする手順を見てください。手続きは本人の名義で行いますが、書類を揃えるところは家族が手伝えます。
職場の同僚や上司として接する場合
ここは短く整理します。家族とは前提が違うところがあります。
病名は、本人の同意なく回ってくるものではありません
厚生労働省の労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針は、健康診断や健康管理活動を通じて得た労働者の心身の状態に関する情報について、そのほとんどが個人情報保護法第2条第3項に規定する「要配慮個人情報」に該当する機微な情報であるとしています。
そのうえで、事業者がこの情報を扱えるのは、労働安全衛生法令その他の法令にもとづく場合や本人が同意している場合のほか、労働者の生命や身体の保護のために必要があって本人の同意を得ることが困難なとき等とされている、と書かれています。職場復帰支援の手引きも、健康情報を第三者へ提供する場合は原則として本人の同意が必要で、その同意は包括的・黙示ではなく個別に明示の同意を得ることが望ましい、としています。
さらに手引きは、心の健康問題を示す疾患名は誤解や偏見を招きやすいことから、特に慎重な取扱いが必要であると述べています。何かの経緯で病名を知ってしまったとしても、それは広げてよい情報ではありません。本人が自分から話していないことについては、知らない前提で接するのが安全です。
腫れ物のように扱わない
手引きには、同僚に比べて過度に業務を軽減されることは逆にストレスを高めることもある、という一文があります。気をつかいすぎた結果、話しかけられなくなったり、仕事から外されたりすることは、配慮としては行きすぎになり得るということです。
挨拶をする、普通に業務の話をする、無理のない範囲で頼む。特別な言葉より、扱いを変えすぎないことのほうが資料の立場に近いと思います。
配慮の内容は、個人の判断ではなく会社の枠組みで決まります
復職後の業務量や勤務時間の配慮は、職場復帰支援プランとして組まれるものです。手引きでは、産業保健スタッフを中心に、本人と管理監督者が理解と協力を行い、主治医との連携を図りつつ取り組むという進め方が示されています。
つまり、同僚や直属の上司が個人の判断で仕事を減らしたり増やしたりする話ではありません。負担が偏っていると感じるときも、本人と直接交渉するのではなく、人事や産業保健スタッフに伝えるほうが筋が通ります。手引きが「管理監督者、同僚等への配慮等」を項目に立てているのは、そのためでもあります。
支える側が潰れないために
ここがこの記事のいちばん伝えたい章です。
あなた自身が、相談してよい相手として書かれています
もう一度書きます。精神保健福祉法第47条は、相談に応じる対象を「精神障害者及びその家族等その他の関係者」としています。あなたは付き添い人ではなく、相談の当事者として条文に書かれています。
同条には、市町村も精神障害者及びその家族等からの相談に応じ、必要な情報提供や助言を行うことが定められており、市町村、精神保健福祉センター、保健所が相互に、また福祉事務所その他の関係行政機関と密接な連携を図るよう努めなければならない、という規定も置かれています。どこに最初に電話しても、たらい回しにされる前提の仕組みではないということです。
相談していいのは、本人の状態についてだけではありません。どう接したらいいかわからない、自分のほうが眠れなくなってきた、いつまで続くのかわからず不安だ。そういう内容で構いません。
家族どうしが集まる場があります
国立精神・神経医療研究センターの「こころの情報サイト」は、こころの健康づくりに関する情報と医学的情報、医療・福祉・労働・年金などの社会的支援に関する情報を総合的に提供することを目指しているサイトです。ここに家族会の説明があります。
紹介されているのは3つの形です。病院を基盤とした病院家族会、保健所が事業として行っている保健所家族会・家族教室、地域ごとに結成されている地域家族会。活動の内容としては、相互の支援、学び合って知見を広めること、社会への働きかけが挙げられています。
そして、連絡先や入会方法、活動内容といった具体的な情報は、精神保健福祉センター、保健所、市区町村で提供されるとされています。探し方がわからなくても、相談の電話の中で「家族会について知りたい」と一言添えれば案内してもらえます。
同じ状況の人と話すことに気が進まない時期もあると思います。それでも、そういう場が制度の中に位置づけられていると知っておくだけで、選択肢の数は変わります。
自分の体調が落ちてきたと感じたら
支えている側が眠れなくなる、食欲が落ちる、仕事に行けなくなる。実際に起きることです。手引きが家族の強い心理的負担に触れているのも、そこに理由があります。
自分の不調を、本人の不調より軽いものとして扱わないでください。あなたが医療機関にかかることは、順番待ちの必要な行為ではありません。「こころの耳」も、家族向けページの中に「ご自身のケア」という区分を設けています。支える人が自分をケアすることは、そのページの中で独立した項目として扱われています。
かかりつけの内科でも構いませんし、保健所や精神保健福祉センターに相談する中で医療機関を紹介してもらう道もあります。同法第47条第2項は、都道府県等が必要に応じて、医療を必要とする精神障害者に対し、その状態に応じた適切な医療施設を紹介しなければならないと定めています。
共倒れを防ぐことには、本人にとっての意味があります
最後にこれを書いておきます。
療養は長い時間の中で進むものです。そのあいだ、生活を回す人が必要になります。買い物をする、家賃を払う、通院の日を覚えている、書類の期限を管理する。派手ではありませんが、これが止まると療養そのものが続かなくなります。
あなたが休むことは、本人を放り出すことではなく、支えを長持ちさせることです。職場復帰支援の手引きが管理監督者や同僚への過度の負担を避けるよう求めているのも、支援の担い手が持たなくなれば支援そのものが崩れるからです。家族についても同じことが言えます。
自分の時間を取ることに罪悪感が湧くかもしれません。ただ、共倒れになったときにいちばん困るのは本人です。あなたが自分の生活を守ることは、本人のための行為でもあります。
なお、休職中のお金や手続きが不安の中心になっているなら、休職の手続きと過ごし方で全体の流れを、精神疾患での障害年金で長期化したときの支えを確認できます。本人が復職を怖がっているときにその中身がどう分かれているかは、復職が怖いときにまとめました。
危ないと感じたときは、その場で相談してください
「こころの耳」の家族向けページには、自殺のサインについての項目があります。自殺を考えている人は意識的・無意識的にサインを発している、という書き方です。サインを発している人が必ずしもリスクが高いわけではない、とも添えられています。
判断に迷うようなことを言われた、あるいは様子がいつもと違うと感じたときは、迷わず相談してください。あなたひとりで抱えて判断する場面ではありません。主治医がいるなら主治医に連絡することが、同じページに勧められています。
夜間や休日など、主治医に連絡が取れないときの窓口を書いておきます。厚生労働省の「まもろうよ こころ」に掲載されているものです。
| 窓口 | 電話番号 | 受付 |
|---|---|---|
| いのちの電話(ナビダイヤル) | 0570-783-556 | 午前10時から午後10時まで |
| いのちの電話(フリーダイヤル) | 0120-783-556 | 毎日16時から21時まで/毎月10日は午前8時から翌日午前8時まで |
| よりそいホットライン | 0120-279-338 | 24時間 |
| #いのちSOS | 0120-061-338 | 24時間 |
| こころの健康相談統一ダイヤル | 0570-064-556 | 曜日と時間は都道府県によって異なります |
本人が電話をかける窓口として案内されることが多い番号ですが、家族や周囲の人が状況を相談するために使うこともできます。かける前に何を話すか決まっていなくて構いません。
今日は、自分のほうを1つだけ
ここまで読んで、覚えることが多いと感じたと思います。全部を今日やる必要はありません。
いちばん効くのは、お住まいの地域の保健所か精神保健福祉センターの電話番号を1つ、控えておくことだと思います。今日かけなくて構いません。番号がわかっているというだけで、何かあったときの重さが変わります。
もうひとつだけ添えます。この記事で確認してきたとおり、家族が相談することは制度の側で最初から想定されています。本人を説得できていないから相談する資格がない、ということはありません。むしろ、本人が動けない時期に外とつながっていられるのは、あなたのほうです。
うまく接することができていないと感じているのなら、それは相手をよく見ている証拠でもあります。見ている人ほど消耗します。今日は、自分が少し楽になる方向のことを1つだけ選んでください。それで足りています。
わたしたちは就労支援の現場で、支えている側が先に消耗してしまう場面を見ることがあります。本人のことを優先するあまり、自分が相談してよい立場だとは思っていない方が多い印象です。支える側が別に相談先を持っておくことは、本人にとっても意味があります。
